国内加工業者によるカシューナッツ調達量が過去最高水準に
(コートジボワール)
アビジャン発
2025年05月09日
コートジボワール政府は4月17日、2025年1月以降の36の国内加工業者によるカシューナッツ調達量が、過去の同時期と比べて最高水準となる32万2,747トンに達したことを発表した。これは、2025年の生産量予測115万トン(前年比20%増)の28%、政府が目標とする年間国内加工量40万トンの約80%に相当する。コベナン・クアシ・アジュマニ農業・農村開発・食糧生産相は、国内加工業者に優先的に未加工カシューナッツを供給する期間(1月18日~3月15日)を設けた政策の成果として評価した(4月18日付エコフィン・エージェンシー)。
コートジボワールは世界最大のカシューナッツ生産国で、カシューナッツ産業は同国のGDPの7%を占める主要産業の1つだ。一方で、カシューナッツの国内加工量はベトナム、インドに次いで世界3位であり、世界銀行によれば、コートジボワール政府は2030年までにカシューナッツの国内加工率を50%にすることを目標に掲げている。
エコフィン・エージェンシーなどの報道によれば、2024年以降、インド複合企業ケワルラム・チャンライ・グループの現地子会社アフコット・カシュー(生産能力:5万トン)(2024年1月22日記事参照)、カカオ生産協同組合ECOOKIMの子会社エコカジュウ(生産能力:1万5,000トン)、アラブ首長国連邦(UAE)資本のパン・アフリカン・アグロ・コモディティズ(生産能力:1万8,000トン)、シンガポール資本のバレンシー・インターナショナル(生産能力:4,5000トン)などが相次いで加工工場の操業を開始した。2024年9月にはカシューナッツ産業投資フォーラムが開催され、2,800万ドルを超える投資案件を締結した(2024年10月11日記事参照)。また、コートジボワール政府は世界銀行とのプロジェクトにおいて、北部のコロゴ(Korhogo)、ボンドゥク(Bondoukou)、セグエラ(Seguela)にカシューナッツ加工に特化した農産加工団地(合計生産能力:15万トン)を建設し、2025年末の操業を予定している。
コートジボワールのカシューナッツ国内加工率は、2023年に21%、2024年に28%となり、2025年は35%に増加すると予想されている。
(色川慶、橘欣子)
(コートジボワール)
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