ジェトロと青島市、日系企業への支援強化で一致

(中国)

青島発

2025年06月10日

中国・山東省青島市の王波副市長は6月3日、ジェトロとの会見で、青島市の経済発展状況や日系企業への支援策について紹介した。また、日系企業支援でジェトロとの協力関係強化を確認した。

王波副市長は、青島市の現状を2024年時点の5つの数字で紹介した。

  1. 人口は1,044万人で、中国の都市別ランキング(直轄市と地級市)で17位。大学卒業と同程度の人材は287万人を擁し、毎年約27万人が増加している。
  2. 域内総生産(GRP)は1兆6,719億元(約33億4,380万円、1元=約20円)で中国の都市別13位、成長率5.7%を記録した。
  3. 輸出入総額は9,077億元で中国の都市別9位となっている。青島港は貨物取扱量が7億トンを超え世界4位、コンテナ取扱量は3,000万TEU(20フィートコンテナ換算)超で世界トップクラスの実績を誇る。
  4. 陸地面積は約1万1,000平方キロメートルで香港の約10倍(注)。
  5. 海域面積は約1万2,000平方キロメートルで、青島の海洋産業の生産額はGRPの3分の1を占める重要な基幹産業となっている。海洋科学研究能力も重要だ。

日本との経済関係では、2024年の青島市と日本の貿易総額は618億元、日系投資プロジェクトは2,323件を数える。2023年12月時点で青島市には714社の日系企業が進出している。2021年から2023年までの同市の日系企業の営業収入は年平均8.7%増、利益率は9.6ポイント増を達成している。

青島市は2023年11月に外資企業支援会議制度を設立し、すでに2回の青島市日系企業円卓会議(2025年1月16日記事参照)を開催した。同市は、この制度を活用し日系企業から収集した84件の要求のうち82件を解決したという。

ジェトロは、青島市に対して中国に進出する日系企業のビジネスモデルが輸出拠点から中国国内市場開拓へと転換していることを指摘した(2025年3月14日付地域・分析レポート参照)。また、ジェトロは同市に対して、円卓会議の継続や、中国国内市場開拓支援などを要請した。

(注)青島市の陸地面積は東京都の約5倍。

(皆川幸夫)

(中国)

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