中国製熱間圧延コイル、ベトナムでAD税導入後も一部規格で輸入増
(ベトナム、中国)
ホーチミン発
2025年06月11日
ベトナム現地メディアがベトナム税関局から入手した情報によると、板幅1,880ミリメートル(mm)超の熱間圧延コイル(HRC)の中国からの輸入は2025年1~4月に33万5,000トンとなり、2024年下期(7~12月)の4.6倍、2024年上期(1~6月)の25倍に達した(「タインニエン」紙5月20日)。2025年4月単月では21万4,000トンと、第1四半期(1~3月)の輸入量の1.8倍に当たる。商工省は2025年2月に決定460号(460/QD-BCT)を発行し、同年3月8日から120日間、中国から輸入の板幅1,880mm以下のHRC製品に19.38~27.83%のアンチダンピング税(AD)の適用を決定していた。なお、2025年1~4月のHRC全体の輸入量は約310万トン(前年同期比15%減)で、中国からの輸入が約190万トンと全体の61%を占めた。
ベトナム当局がAD調査を開始して以降、中国からの1,900~2,000mm幅の広幅の鋼材輸入が増加する傾向にある。ある鉄鋼関連企業によると、この広幅の鋼材輸入は、AD対象の製品と技術的特性、使用目的、流通経路に実質的な違いはなく、AD対象の鋼材と大きく異ならないと述べた。また、同社は、ベトナム政府が適切な予防措置を講じなければ、HRCの中国からの輸入は1,900~2,000mm幅の製品にとどまらず、2,000mmを超える幅の製品が一般的なHRCの輸入として拡大するだろうと警鐘を鳴らしている(「タインニエン」紙5月20日)。
(新田和葉、ティエン・グエン)
(ベトナム、中国)
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